enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

終わらないし、消えないさ。

 

朝、開けた窓から聴こえてくるのは、ジリジリとした蝉の声ではなく、秋の虫の秘かな声に代わっている。
とことん暑かった夏もじきに終わってゆく。
何ごともなかったように。

でも、福島も辺野古も、そんなふうには終わらないさ。
虚しいけれど、声は消えないさ。
虚しくても、声は消えないさ。
声をあげ続ける人を圧し潰すことはできないさ。
終わらないし、消えないさ。

 

朝日新聞』2023年8月25日朝刊1面から