enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

98.9.3

お母さんと手をつないだ小さな女の子とすれ違った。
 
「あそこにケムチがいるよ!」
 
歌うような声と明るい瞳に出遭って
私はたじろいだ。
 
数歩進むと 小さな毛虫が
苔むした石畳の道を横断していた。確かに。
 
ふわふわの毛むくじゃらの毛虫よ
おまえは そんな「ケムチ」でも
あったのか。