enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.4.30

 今朝、南の窓を開けると明るい鉛色の空があった。そして湿り気のあるやわらかい空気。
 一瞬、あの空の向こうに夏が来ているのだ、と感じる。
 
 
 連休に入った土曜日の海岸。
 乾いた木のテラスは人々でにぎわっていた。
 若い女性たちが白い円卓を囲み、そのまわりには初夏の光と潮風が集まっている。
 グラスの中で鮮やかに赤いワインが輝く。いつもの浜辺にはない色彩だ。
 
 波打ち際では、透き通った細長いものがたくさん打ちあがっていた。やわらかなガラスでできたような小さな魚だった。シラスよりずっと大きい。ピチピチとはねるけれど、波が来ても海に戻ることはできない。
 
 西の大磯の海を見やると、渚伝いに若い家族のシルエットが浮かんでいた。
 
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