enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.9.14

 静かな海面に一瞬、すっとした浪の稜線が生まれる。
 そのまま滑るように岸へと進んでゆく。 
 浪は、じきに白い爪をたてて浜辺に到達する。
 砂浜の斜面で行き場を失った浪が虚しそうにはじけ散る。
 そしてふたたび、自らの形跡を消し去るように、なめらかな水の被膜となって海へと戻っていくのだ。確かに何言かをつぶやきながら。
 
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9月14日の海 (一)
 
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9月14日の海 (二)
 
 日々、何か胸に滓のようなものが溜まって息苦しくなったなら、海に出かければいい。
 寄せてはかえす波が砂浜をなめらかに洗っている。
 ささやくような波のつぶやき。
 いつのまにか、胸のなかに海が入り込んでくる。