enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.1.11

 10日、古い友人たちに会うために東京へ向かった。金曜の夜だからなのか、有楽町から東京駅へ向かう山手線の電車内はすし詰め状態だった。二十年以上前はこんなふうに毎日電車に乗っていたのだっけ…と思う。
 数年ぶりに逢う、それでいて何も変わってはいない友人と山形のお酒を飲みながら、2014年という時間に、どこか明るい兆しがあるように感じた。たぶん、良いお酒のせいなのだろう。
 上京するとほぼ必ず頭痛薬を飲むことになるのだけれど、今回は薬なしでやり過ごした。ただ、今日は朝から頸も肩も頭もズンと重苦しい。午後になって、陽ざしのあるうちにと、海に向かった。
 浜に出ると空も海も青い。不思議だ。小さな波が打ち寄せる、そのリズムとともに浜辺をたどっているうちに、頭のまわりから鈍く重苦しいものがどこかに溶けて消えていた。
 帰り道の空には、冬枯れの桐の枝が広がっていた。くらげのような白いかさを広げた月も浮かんでいる。
 足踏みするだけのような私にも新しく巡ってきた2014年。乗っていることにも、動いていることにも気づかないけれど、まわりの景色は静かに流れ動いている…2014年はどこに向かっているのだろうか。
 
1月11日の海
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冬の桐
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