太陽を背に波打ち際を歩いた。
大雪のあとでも寒くはない。
波に濡れた砂は、なぜか足が埋もれそうなほどふかふかしていた。
海のそばにいると、波の音を聴いていると、生きていると感じる。
砂浜の奥には雪だるまのようなシルエット。
近づくと、それはやはり雪だるま…それともモアイ?
いつもの波消しブロックの上にはミサゴのシルエット。
長い時間をかけて魚をついばんでいる。
波が寄せて、足元をふと見ると、きれいな巻貝の形が目に飛び込んだ。
ドキドキしながら手に取った。
ソフトクリームを巻きあげたような形。
メレンゲを焼いたような色合い。
しっかりした厚みと重み。
雪の降ったあと、私は少し生きかえったような気がする。
「 ニセイボボラ」という貝でしょうか?(その後、友人が「ククリボラが磨滅したもの」と同定。)