春が行きつ戻りつしている。
晩春からは、初夏~夏へと一気に突き進むのに比べ、3月はまだ、光と寒気がせめぎあっている。冬ごもりの虫も、二度寝を楽しんでいるかもしれない。
陽ざしの出た午後、水辺の楽校にクイナを探しに行く人に同行することにした。
マフラーをどうしようか、迷いながら家を出る。
季節のグラデーションは、細やかで順当なほうがありがたい。
住宅の並ぶ細い道には、庭々の満開の梅の香りがただよっていた。
じきに、マフラーもいらなくなった。
水辺の楽校では、今日もヒバリがいた。
畑から飛び立って、空高く、もっと高くと、囀りつつ、のぼってゆく。
点になって見失うほど高く…すごい。
ヒバリの姿はとらえられなかったけれど、ツグミは私に少しの時間をくれた。
結局、クイナは見つからなかった。どんな鳥なのだろう。
3月の畑