初夏の下吉沢に出かけた。
沢水をせきとめた”ため池”を見る。
弁天通を抜けて不動川に流れ込む水。
暗いような明るいような水面をアメンボがすべっていた。
敗戦となる年の2月11日に作られ始めた”ため池”を、今は水神碑が見守っている。
すぐ南隣の大光寺跡を再び訪れる。
二週間の間に、草が驚くほど背丈を伸ばしていた。
そこに在ると聞く”礎石”を、今日も見つけることができない。
草が枯れる冬まで待たなければならないようだ。
その足で、高麗山に向かった。
(途中で、万田池を通り過ぎる。すっかり開けて明るくなった池では、カメがのんびりと平泳ぎをしていた。)
久しぶりの湘南平でお昼にする。
木の間隠れに、青い海に生まれては消えてゆく白波の生成を眺めた。
とうとう、楽しみにしていたホトトギスの声を聞くことはできなかった。
そのかわりに、帰りの八俵山の谷道でオオルリのさえずりに耳を澄ませた。
尾根みちに 木洩れ日ゆらし 風わたる (そのままの五七五・・・)
下吉沢の”ため池”
”ため池”から発して、小さな滝となる流れ