enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.12.3

 季節は冬に移ったはずだった。
 でも、それは私が行動している半径2~3㎞の範囲のなかだけだったのかもしれない。
 
 今日、大山の青い姿、富士の白い姿をバスの窓から眺めながら伊勢原に向かった。
 目的地は、6年間に及ぶ大改修を経て、ようやく2週間前に落慶法要が行われた日向薬師だ。
 2年ぶりに訪れる日向の里には、華やかな色彩が残っている。まだ秋のままだった。
 
 しっとりとした玉葱石の坂道を登る。沢の音が響く。何度も歩いた親しみある参道だ。
 それでも、暗く急な階段の先に現れた本堂の姿に、やはり驚かずにはいられなかった。
 以前のどっしりとしたフォルムはそのままに、どこかエキゾチックな装いを凝らしていて、全く別の寺の顔になっていたから。そして、何より本堂自身が嬉しそうで誇らしげで、そのことが秋の季節をとどまらせているように思えた。

日向の寺の秋①
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日向の寺の秋②
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日向川べりの水仙…うっとりするほどの香り。
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日向の麓の秋
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