季節は冬に移ったはずだった。
でも、それは私が行動している半径2~3㎞の範囲のなかだけだったのかもしれない。
今日、大山の青い姿、富士の白い姿をバスの窓から眺めながら伊勢原に向かった。
2年ぶりに訪れる日向の里には、華やかな色彩が残っている。まだ秋のままだった。
しっとりとした玉葱石の坂道を登る。沢の音が響く。何度も歩いた親しみある参道だ。
それでも、暗く急な階段の先に現れた本堂の姿に、やはり驚かずにはいられなかった。
以前のどっしりとしたフォルムはそのままに、どこかエキゾチックな装いを凝らしていて、全く別の寺の顔になっていたから。そして、何より本堂自身が嬉しそうで誇らしげで、そのことが秋の季節をとどまらせているように思えた。
日向の寺の秋①
日向の寺の秋②
日向川べりの水仙…うっとりするほどの香り。
日向の麓の秋