enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

急な雨。

 16日夕方、出かけようとして空を見ると、今にも降り出しそうな気配だった。しばらく歩いてから、傘を取りに家に戻る。じきに、雨は降りはじめ、結果として、雨はかなり強くなってしまった。
 
 帰り道、傘をさしたまま、地下道に入る。私の後ろから子どもの走る音が近づいてくる。子どもは私を追い抜いて立ち止まり、「ビショビショだぁ!」と濡れた身体を何度かくねらせた。少年は上着のフードをかぶりたいらしかった。でも、襷掛けしたショルダーがフードを押さえている。身体をくねらせてもフードは自由にならないのだった。
 少年はあきらめたのか、再び走り出し、地下道の出口に達する。そして、さっきと同じように身体をくねらせていた。かなりの雨なのだ。かぶったほうがいい。私には、少年がなぜ手を使ってフードをかぶろうとしないのか、分からない。
 「どこまで(行くの)?」と、少年に向かって傘を差し出してみた。
 少年は怖じるように「いいです!」と答えた。そして、勢いよく、雨の中に飛び出していった。

 少年というのは、私にとって、いつもはっきりと”他者”だ。
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 最近知った言葉。
 「全自動忖度機」。
 分かりやすい。