5月最初の日。
午後になって、にわかに暗くなった。
予報の通り、雷が鳴り、雨音も強くなってゆく。
その雨も、夕方には上がった。
外に出ると、道路はたっぷりと雨を吸っていた。
空気が澄み、町並みがきらめいていた。
近くの店で買い物を済ませ、海へ向かう。
雨上がりの海。
大島も富士山も姿は無く、箱根の山並みもかすんでいる。
ただ、海は青味を見せ、そして湖のように静かなのだった。
あまりに静か過ぎて、不穏なくらいだった。
まぶしい西陽を背中にして、波打ち際の小石の群れを眺めながら歩いた。
海までの時間。
海とともにある時間。
私の中に私がいることを確認する時間。
ツタと西陽
17時の波打ち際
3分後の波打ち際