8月26日から9月1日まで、ツァーに参加して、白馬村で過ごした。
7日間、毎日ひたすら足を動かし続けた。
若い頃、職場の仲間たちと白馬の雪渓に挑み、山小屋に泊まった私は、すでに遠い記憶の中の別人だ。
体力も気力も失った今の私は、リフトやロープウェイを使って五竜、八方、栂池の高みに到達する。いとも簡単に高原へと到達してしまう。
滞在した7日間の前半は晴れたり曇ったり。後半は雨や風、雷にも見舞われた。
そのなかで、青い山並み、黄金色の水田を眺めた。湧いては晴れる雲や霧に一喜一憂した。虹も現れた。澄んだせせらぎの音を聞いた。山道で出会った草花や蝶たち…その命の短かさを思った。
晩夏の白馬村から帰ってくると、いつもの暮らしがそのまま夏の空気のなかで取り残されていた。
白馬村の晩夏の七日間はすでに遠く去っていこうとしている。
撮ってきた写真が日々の暮らしの埃りをかぶらぬうちに、少しずつ、まとめておこうと思う。
<二十三夜塔など>
かつて、博物館のサークル仲間と”星まつり”関連の石塔巡りをしてからというもの、旅先の道筋で、つい、そうした石塔が目に飛び込むようになってしまった。
昔馴染みに出会ったように心が浮き立つのは不思議なことだ。”二十三夜塔”が、お月様や女性たちに縁のある石塔だからなのか。
二十三夜塔③(文化二年=1805年):白馬村の「塩の道」の”空峠石仏群”のなかで。