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私の第三十四夜をつづります。

旅先で見た生き物たち②

 私が、意を決して(?)”日本ではない国”というものに出かけたのは1980年8月。
 その頃、最も憧れていた世界…バリ島だった。
 それは、1977年、初めて飛行機というものに乗って奄美大島・徳之島を訪れて以来の、ワクワク以外の何ものでもない旅だった。何しろ、夢でしかなかった夢を現実に叶えることができるというのだから。
 
  『あぁ、これが異国というものなのだ…』
 バリ島のデンパサール空港に着き、外付けのステップに足を降ろした時だった。
 これまでに記憶の無い香り…甘く濃厚な花のような香り…を吸い込み、ムッとする熱気に包まれたのだった。
 そして、その異国の見知らぬ空気感に、なぜか、自分の祖形?の世界、親和的な世界にたどり着いたような不思議な充足を感じた。
(その後も、長年に渡って、デンパサール空港での感動を思い起こしては、懐かしさで心が羽ばたくような気持ちになった。)

 2019年、初めて到着したプノンペン空港は立派な空港だった。
 空港の出口は観光事業者の人々であふれかえっているようだった。
 こうしてカンボジアの旅が始まった時、私は自分の身体がずっと発していた”物言い”について、すっかり忘れてしまっていた。何と現金な…。

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このインドハッカの顔つき、足もとは、プノンペンやスラエムのものより、さらにたくましい。

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子どものサルたち(シェムリアップ:早朝のアンコール・ワットで)
美しい日の出のあと、隣の森から母親や他の兄弟?たちと連れ立って、縦横無尽に庭や遺跡内を走り回る。油断している観光客の食べ物(朝食を入れた袋を持ち歩く人)を目当てに、素早い仕事ぶりを見せていた。顔は肌色で毛の色も白っぽい薄茶色。尾が長く、頭がとがって見える。カニクイザルというサルのようだ(アンコールワットの浮き彫りに表された”ラーマーヤナの猿軍”のサルたちのほうが、ずっと肉づきが良い)。

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赤いトンボ(シェムリアップ:レストランの庭で)
本当は昆虫が大の苦手なのに、蝶とトンボは美しいと感じる。トンボについては、繊細な翅の美しさに、つい、カメラを向けてしまう。

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ランタナの花に留まる金色のトンボ(トンレサップ湖で)

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スズメとトンボ(トンレサップ湖で)
カンボジアのスズメは日本のスズメと良く似ている。

【こうして、少しずつ写真を記録しながら、遺跡の写真にはいつたどり着けるのだろう…と思う。たどり着くとしても、ごく限られた写真のみになりそうな気がする。今回の旅では、三つのカメラを抱えて、私の何倍も多くシャッターを切っていた人もいた。まだ若い人なので、すべて整理できるエネルギーを持っていそうだった。私はといえば…やれやれ。】