enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

ベランダの白いスミレたち

 

温かくなって、ベランダのスミレたちが次から次へと咲きはじめた。顔を近づけると、ほのかに甘い匂いがする。

なんていい匂いなの? なんて小さいの? 白く小さな花たちを眺めていると、気持ちがやわらいでゆく。

その一方で、幼い葉やうつむいた花の首筋に棲むアブラムシを水で洗い流し続けずにはいられない。アブラムシたちにとって、自分は”むごい侵略者”そのものと思う。

スミレが生きている。そこにアブラムシも生きている。でも私はスミレだけを守りたいのだ。スミレを弱らせてしまうアブラムシは見たくないのだ。

なんて自分勝手なのか? その身勝手さに心が騒いだりもする。

 

そんな身勝手な私が暮らす世界にも、どこかの時点で・どこかの場所に、災禍や戦争といった凶々しい現実が押し寄せる。

それらに、私たちはどう向き合えばよいのだろう。どうすれば乗り越えられるのだろう。

ロシアによるウクライナ侵攻後、壁に貼ったポスターの「武力で平和はつくれない!」という言葉は宙に浮いたままだ。

言葉では解決できない現実、血と血で闘う現実…その虚しさ。

平和を守るための答えがいまだに見つからない…そのもどかしさ。

平和を踏みにじるな! 
虚しくてももどかしくても答えの言葉を探さなくてはならない。それしか分からない。

 

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側弁がクルリと巻いた花びら:しおれつつ、何かを握りしめているような?