enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

96.3.9

Tさんへ
 
涙の海のなか ヴィオラをさがして
深く深く むせびながら 沈んでいった
 
青い海の底 悲しみのよどみの上に
静かに静かに 私を横たえた
 
音もなく 光もなく 今は
波立つ心のありかも わからない
 
充たされた海は揺りかご
 
私はひととき眠ろう ヴィオラを抱いて
 
音と光の輝きに ふたたび めざめるまで