enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2017.2.7

 夕方、外に出る。しばらく歩くと、なぜか晴れ上がったような気がした。心ではなくて、体が晴れたように感じたのだ。急に道を引き返す。自分でも驚くような回れ右だった。思うより先に足が海に向かってしまった。

 久しぶりの浜辺。
 大島も富士山も静かな姿のまま。
 ショベルカーが、防砂柵をまたいで動いている。どこか遠い世界のような動き。
 
 波に洗われた貝や小石も静かな位置を守っている。
 太陽は西の空いっぱいに、裸電球のような光を拡散している。
 
 長い間どろどろと苦しかった胃のあたりが晴れ上がったのは、この鈍い落日の光が体に差し込んだからだろうか…そんな不思議な思いのする、遠い世界のような落日の光だった。

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海と落日

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波と貝

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風と鳥の跡

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月と教会