enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.2.2

 2日未明、目が覚めると嵐のような風の音が聞こえた。起きて窓を開けると、外の空気が生暖かい。午後になって雨が上がり、海に出かけた。陽だまりを散歩する人は上着を腰に巻き、腕まくりをしている。桜が咲く頃の陽気を2月初めに味わうのは不思議な気分だ。海は強い南風で白波が次々と押し寄せていた。浜には笹竹が結界を示すかのように、数メートルおきに並んでいる。何だろう・・・。
 帰り道、見知った人が自転車に乗って、海へと向かってくる。この道で何度も見かけている。自宅から何キロもの道のりを自転車で出かけてくる・・・彼女も海が好きなのかな?・・・そんなふうに思っていた。声を掛けると、ちょっと驚き、すぐ笑顔になって自転車を止めてくれた。彼女が海まで自転車を走らせてくるのは”巻貝”を探すためだった。手のひらに拾った巻貝を載せているかのように、「半年に一つくらいしか拾えないの。それまで二枚貝だけだったから、大きな巻貝を見つけてから夢中になって・・・。縞模様があって角があって・・・」と嬉しそうに話してくれた。今日は波が荒かったと伝えると、いっそう顔がほころんだように見えた。急いでいた彼女を呼び止めたことを詫びて別れたあと、私も何だか嬉しくなった。今日の南風で浜に綺麗な巻貝が打ち寄せられていると良いのだが。
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   2月2日の海(西)
   
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   2月2日の海(東)
 
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 帰り道、たくさんの雀たちが松の落ち葉の上を歩いていた。カメラを向けた時には、すでに松林の奥に隠れてしまっていた。