enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2013.2.18

 日曜日、もう梅は咲いているだろうかと市の総合公園に出かけた。決して温かいとは言えない休日。公園は春が待ちきれない人々でにぎわっていた。
 霜柱の残る日本庭園の池の端では、人づてに聞いた通り、ソウシチョウヤマガラシジュウカラの姿を追う人たちがカメラを構えている。
 ソウシチョウヤマガラを見るのは初めてだ。餌場と化した庭石と冬樹の梢との間を、せわしなく行き来している。素早くついばまれる餌・・・何が置かれているのだろう。水辺の楽校では見られない姿だ。
 梅の花はわずかに咲き始めていた。時々陽がさして、白い花びらが透けて重なる。開いたばかりの紅梅のつぼみは黄色い花粉をたっぷりとつけている。
 梅林を抜けて野鳥の森に向かう。池では鴨たちがまだ静かに眠っていた。鴨にとっては、冷たい水面でさえ心地よい揺りかごなのだろうか。安らかな眠りのシルエットにほっとする。
 少し歩くと、水飲み場で乳牛のような模様の猫が蛇口にしがみついていた。とても太っている。蛇口を開けようとしているように見えるのが可笑しい。近づいて水を少し出してあげると、美味しそうに水滴をなめ続ける。
 冬と春がないまぜの公園で、たくさんの生きものがそれぞれの時間を過ごしていた。
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