enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.3.10

 先日、2011年3月11日の星空(「星空とともに」)をプラネタリウムで見た。
 あたたかなシートに座って、まばゆい星のまたたきを見て、ヘブラーの弾くピアノの音を聴いている・・・3年経って、今、私はこんな程度だ。何をするわけでもなく、ただ生きている。
 
 今日も海に出かけた。
 大島が浮かび、小さく利島も見えた。
 西の海はまぶしいほど輝いている。光に向かって海岸線を歩きはじめる。
 遠く、市営プールの前の波打ち際に、黒い岩影のようなものが見えた。
 子供のころ、目にしていたものに違いない。
 波間に浮かぶ水鳥を追いかけるように、西に向かう。
 小さな円形劇場のような、三つのコンクリートの人工物。半世紀ぶりに、その姿を見た。
 残りの良い中央のものでも、侵食され、昔の形の半分ほどになっている。
 かつては、一面にこびりついていた黒い二枚貝は、どこにも見当たらない。
 いずれ、海の砂と一体になりそうなほど、滑らかな肌になっている。
 この人工物は、いつも姿を顕しているわけではない。今日は、たまたま、波間から顕われ出たのだ。同じ大きさで、等間隔に並んでいる。何のために作られたのかを知らない。
 たぶん、私よりは先輩だ。いつまで、この海岸線にその形をとどめるだろう。
 
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国道の歩道橋から(大島、海洋観測塔、利島)