思えば、夏の日盛りのしんとした白い光には、暗黒の底無しの重力があるのではないだろうか。白い光の底無しの重力…それは無というもののイメージに近い。夏の日盛りに歩く時、存在は限りなく圧縮され、消失してしまうような不安と誘惑を感じる。
その夏の光に比べ、冬の陽ざしは何と親和的だろう。冬の光の中に在るとき、存在は圧縮されて消失するのではなく、そのまま陽ざしに融け込み拡散していく。受容されて消失してゆく安らぎを感じるのだ。
夕刻の大島
伊豆にかかる青い帯
小石の混じる砂浜
夕陽を反射する防砂柵
夕刻の富士