enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2,015.3.23

 土曜日は茅ヶ崎に、日曜日は厚木に出かけた。
 茅ヶ崎では、海側にある古い資料館を訪ね、午後は香川の下寺尾官衙遺跡群を廻った。
 厚木も、やはり昔のままの資料館を訪ねた。
 それぞれ、目を凝らし、耳をそばだて、足も使った。
 家や図書館で過ごすとりとめのない時間とは異なり、めまぐるしい刺激を受け続けた。
 厚木から平塚にバスで戻り、駅前広場に着くと、二日間で見たものが次々と脈絡なく浮かんでくる。見たこと、感じたことが未消化のまま混乱しているのが、何とも落ち着かない。
 駅前の通りには、それぞれの休日を楽しんできた人々がゆっくりと歩いていた。その充ち足りた姿が、自分とは遠い世界のことのように思えた。
 そんな疲れた頭と身体に、軽やかな若緑色に芽吹いた柳が声をかけてくれた。
 駅前に移植された記念樹の柳だ。うら淋しい冬姿から、柔らかな葉をまとった初々しい姿になっていた。夕方の温かな風にゆれる枝垂れ柳の声はやさしかった。

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