enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2015.11.6

 図書館で調べものをしている時、私はどこかを浮遊し飛び回っているような気持ちになる。身体をどこかに置き忘れているような…。きっとISS内よりも、気持ちの良い浮遊感なのでは?と思ったりする。何せ、現実のすべてを忘れ去って、別の空間と時間を漂っているのだから。
 静かな館内に、”蛍の光”のメロディが流れはじめる。慌てて机の本を棚に返す。
 
 外に出れば、そこには11月の黄昏時の空間が広がっている。
 西の空に、一筋、飛行機の航跡が光をとどめていた。じきに、山の端の赤みが黒く沈みはじめてしまう。
 図書館から街の灯りに近づくまで、とりとめのないことを身体の重みで踏みしめるようにして歩く。あたりの薄闇に溶け込むように、現実の世界が少しずつ戻ってくる。

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11月6日の紅葉…ハナミズキだろうか?
 
 図書館の周辺の木々は日々、華やかになっている。石畳の道では、カツラの黄葉が甘く香りはじめている。