3月初めの高麗山…八俵山に向かう山道は明るかった。12月初めにはまだ重々しく空に伸びていた梢が、今は葉を落としきって、親密でやわらかな光が足元に届く。ウグイスがひかえめに囀る。尾根沿いの木々の間から、南には相模灘の青い水平線、北側には大山の青い稜線がのぞく。
そこかしこに散策を楽しむ女性たちの明るいさざめき。コゲラ(?)がリズムを刻んで木の幹を叩く音。沢水のような響きをたてて木々の間を通り抜けてゆく風。冷たさの残る空気。陽射しでぬくもった木肌。
心に何も無い、遙かなつかしい時間が流れる…こんな時、『(時よ、長く)とどまれ』という言葉が浮かんだりする。
大磯の海
イカル
カワヅザクラ…すでに花びらが散りしき、葉の色が目立っていた。高麗山の春が進んでいた。
花水川橋と平塚沖波浪観測塔…浜辺で見る観測塔を東天照の展望台から。