旅空には旅の時間が流れてゆく。家のことも、”いつもの時間”の流れ方も忘れてしまう。旅に出ると、新しい一瞬の扉を次々に開いてゆくだけのような気がする。家に戻り、”いつもの時間”の流れが戻ってくると、いつもそう思うのだ。
その昔、旅から旅へとさすらった人たちはどう感じていただろう。家での”いつもの時間”そのものも、現代とは違った流れ方をしていたかもしれない。それでも、やはり旅に出れば、昔の人も、いつもと違った時間の流れを感じたのだろうか。
家にいても、散歩に出るだけで、旅の時間が流れはじめる。私にとって旅とは、何かから解き放たれることのような気がする。といって、何から自由になりたいのだろう。とにかく、旅には新しい空と風がある…旅空には旅の時間が流れる…そんなふうに思う。
緑の葉をつけはじめたカツラの木
3月27日の海
浜辺のハマダイコン