enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.4.30

 4月から5月へと暦が進んでいく…ついこの前まで馴染んでいた季節は、すでに遠く後景に退いてしまった。人生の時間もこんなふうに次々と後景に飛び去っていく。
 光が強さを増してゆくこの時期、真新しい季節を繰り返し更新してゆく自然に対し、自分とはほど遠い底知れない生命力を感じる。すり減ってゆく自分の人生の時間に、自然の季節から無限のエネルギーを照射されているように感じるのだ。

 29日、仙石原に出かけた。ガイドの方々に導かれながら、湖尻から早川左岸の道を歩いた。
 仙石原の空模様はめまぐるしく変わった。傘をさしながら雨粒にうなだれるスミレたちを探した。晴れあがった空に箱根山が鮮やかに姿を現した。アラレの急襲もあった。小さな川にかかる木橋に氷の玉が音を立ててはじけ飛ぶ。みな、子どものように歓声をあげながら渡った。
 軽装を後悔した寒さも、友人の雨具でしのいだ。雨あがりの新緑やスミレたちからは、夏に立ち向かうエネルギーをもらった。眼の前の木々や小さな花たちからそのまま直接に届くエネルギー…誰のためでもなく、ふんだんに惜しみなく、すぐ眼の前にあった。

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小さな白い花とスミレ(タチツボスミレ?)

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クサボケの花

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噴気が這いのぼる冠ヶ岳

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桜のような花びらのスミレ(花びらの上で小さな虫が雨宿り?していた)