海に向かう通り…真新しい竹飾りが風に揺れる。
この何年か、涼しい七夕が続いていたけれど、今年は陽射しのある七夕になった。
そして、身体はすでにこの季節に負け、よどんだ泥のなかにある。這い上がる気力も無い。
そして、ずっと、海を見ていない、波の音を聴いていない。
本当に久しぶりに浜辺を歩く。
岸に近い海の色には泥のような赤みがあった。
海も、この季節に負けているように思えた。
そんな時もある…お互いに。
弱った波の音が、それでも私のよどんだ身体に入ってくる。
身体にたまっていた虚しさが軽くなってゆくような。
波よ、海よ。次に海に来た時には、お互いに息を吹き返していよう。
竹飾り①
竹飾り②
7月6日の海
柔らかそうな手のひらの跡