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私の第三十四夜をつづります。

2018.6.13 ~与喜山・二上山の麓を歩く(2)~

 9日の長谷寺と同じく、10日も当麻寺を参詣する時間は無さそうだったし、実際に無かった。
 歌人相模の初瀬参詣想定ルートを探す私にとって、当麻の二上山一帯が、そのルートに係わる可能性があるのかどうか、何一つ根拠が無かった。ただ、想定ルートとして可能性ゼロではない、という地域の一つが二上山一帯なのだった。
 今回の機会に、できるだけ二上山周辺を歩き回ってみなければ、という思い込みだけで訪ねた二上山一帯の地。
 実際に歩いたからといって、何か確実な実感が得られるわけもないけれど、ともかくは歩いてみなければ始まらないのだ。
 そうした旅への思い込みとは別に、旅の時間には予期せぬ出来事・見聞・出会いがあったりする。そして、それらの予期せぬ出来事が、旅の収穫の乏しさを埋め合わせてくれたりもする。
 こうしていつも旅の終わりには、”もろもろすべて、この旅で味わうべきものだった”という思いが刻まれるのだった。

二上山の麓で>

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長尾街道(葛城市の当麻寺駅付近)から見る二上山
久しぶりに見る二上山歌人相模の初瀬参詣想定ルートを探し始めてから、その山麓に多くの古道が走ることに興味を持った。
長谷寺当麻寺を結ぶような東西道(横大路)。
その”横大路”は二上山南東麓で分かれ、奈良(大和国)と大阪(河内国)を結ぶ道となる。
時代によって盛衰と異動を経ながらも、今に伝わる古い道筋。
奈良から大阪に向かう視点では、
二上山の東側を回って大阪に入る”長尾街道”。
二上山の南側を回って大阪に入る”竹内街道”。
二上山の西側で”長尾街道”と”竹内街道”の間をつなぐような”太子道”。
10日はそれらの古道の一部を歩くことに費やした。
越えた峠は、竹内峠・穴虫峠・田尻峠
(今回、私が田尻峠 と推定した地点がそうではなく、「大坂越え」の一地点である場合、「本来の田尻峠」は香芝市奈良県〕と柏原市大阪府〕の境界地点が該当するように思われる。これから、この峠問題をきちんと越えなければならない…)
人一人、車1台にも出会うことの無かった竹内峠の山道。
人一人歩く姿も無く、車ばかりが行き交う穴虫峠と田尻峠 の舗装道。
こうして、二上山の麓をぐるりと一周してはみたけれど、肝心の想定ルートは霧の中に隠れたままなのだった。

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田植え中の水田と畝傍山(葛城市の西光院付近):
竹内街道沿いには斜面を切り開いた小さな水田が点々と続く。

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竹内街道から望む畝傍山(葛城市の西光院境内)

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竹内街道の花①:ユキノシタ

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竹内街道の花②:白いヒルガオ

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竹内街道の「鹿谷寺(ろくたんじ)跡」(太子町)付近から太子町方面を望む

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  竹内街道で出会った”太子さま”(大阪府太子町)

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太子道”(703号線)沿いの「屯鶴峰(どんづるぼう)」(香芝市)から香芝市方面を望む

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長尾街道(香芝市内の穴虫)から見る二上山
二上山のさまざまな姿に親しんだ一日が終わってゆく。