enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

”熱伝導”者の汗。

 

梅雨らしい日が続き、南口の公園のバラの花色はすがれてゆくばかりになった。
コロナ禍の日々、夕方の買い物の行き帰りに人魚姫の公園に立ち寄っては、そのほのかな草いきれに満ちた小さな自然空間にずいぶんと慰められた。

今日は朝から部屋が明るかった。室温は28度を超えた。

そんな梅雨の晴れ間、山本太郎氏の都知事選立候補表明をネットで視聴する。
久しぶりに聴く彼の言葉だった。独特の身振り手振りも変わっていなかった。
その首もとを包むシャツ襟に汗がにじんでいた。彼の内部にたわめられていた熱量が行き場を求めているのだと思った。

すでに熱量がすがれた私にも、自分の熱量をストレートに伝えることができる、不思議な”熱伝導”者の汗なのだと思った。

 

夕方、暑さを覚悟して外に出る。少なくとも汗がにじみそうな暑さではなかった。

南口の公園は、青い花と小さな白い花が残るだけになっていた。バラたちの季節が去ったのだ。
で、あの山本太郎氏の季節は巡ってくるのだろうか? 
それとも、今までに経験したことのない季節を夢見るだけで終わるだろうか?

 

 

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6月15日のバラ(駅北口で)