enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.4.23

 
 鉛色の空に美しい花が浮かんでいた。
 見たことのない花に思えた。 
 夕方の細い雨の向こうに。
 
 それは咲き終わった木蓮の花だった。
 散り落ちるのを思いあぐねているように
 首をかしげていた。
 
 春はもう通り過ぎたのかと。