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私の第三十四夜をつづります。

星の花

 10日、仲間と訪れた北鎌倉。初夏の光がさしこむ寺の小道を奥に進むと、石楠花の花が隠れるように咲き残っていた。さらに奥まったところに、山の冷気と水気が伝う切り立った崖面が現れ、その暗い岩肌一面に薄紫の小さな花たちが静かに呼吸している。寺を囲む山肌に反響するように、ウグイスの声がすずやかに響き渡る。昼間は人の波の絶えることのない北鎌倉の一角。六月の夜、星の形をした花の咲く岩肌を、月はどのように照らしてゆくのだろうか。イメージ 1
                                                              イワタバコ