enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.7.31

 7月も終わってゆく。
 週末の浜辺は人々で賑わうようになってきた。
 浜辺暮らしの猫は、人の波が引くと、いつものベンチに戻り、いつもどおり西を向いて腹這い、遠くの海と空を見つめている(・・・ように見える)。何も持たず、何も語らず、泰然自若として哲学的だ。
 猫には相手にしてもらえないので夕方の海を眺める。夏の間、ボードウォークはヴァニラに似た甘い香りがずる。木道が昼間の太陽で熱せられ、サウナのように乾いた甘い匂いを発しているのだろう。
 今、波消しブロックの内側の浜辺には小さな潟湖のような水たまりができていて、ピンクの浮き輪が打ち上げられていた・・・大きくてとても目立つ浜辺の忘れ物。
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