3月を迎えると心落ち着かなくなる…そんな時期があった。
自分が一歩踏み出すことの不安。親しんだ人との別れのおそれ。
しだいに、そうした苦しみも遠いものになっていった。
ただ、2011年から、3月は違った意味をもつようになった。
今日の海は波が荒い。
ゴーゴーという響きが耳をふさぐほどだ。風はほとんど無いというのに。
青みがかったヒトデ、黄色のヒトデが、そこかしこに打ち上げられている。
ヤツシロガイの破片を二つ拾う。大きさは5~6㎝ほど。同じ個体ではなさそうだった。
波打ち際に作られた砂山に、貝の破片を並べてみる。
さっきまで浜辺にいた人が作った砂山だ。
ほんの少し先まで歩いてから折り返した。
同じ場所に戻ると、さっきの砂山も貝も、魔法のように消えていた。
小さな波でさえ、これほどの力を隠し持っている。
明日から始まる3月は、海とともにある特別な月だ。
浜辺の星形
浜辺の太陽形
砂山とヤツシロガイ