enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2014.8.23

 7月の末からひと月・・・自分の時間を遠くに置き忘れたように過ごした。
 昨夜、ドンと響く花火の音を身体に感じ、暗い窓辺から色彩の炸裂を垣間見て、ようやく、我に返ったような心もちになった。
 夏が本当に終わってゆくことは、昨夜の風のやわらかさでもわかった。
 ひと月の間に、遠いところで夏が過ぎて行ったんだな、と思った。
 
 今日は、30年以上も離れていたなつかしい女性画像が、私の部屋にもどってきた。
 初めてバリ島を訪れた1980年。その時はもう少し、明るい色調だったように思う。オレンジ色と黄色の印象があったから。
 この女性像を見てから、30年以上の時間が過ぎたのだ。記憶も染色も褪色し、なつかしい女性像の前に、30年以上年を取った自分がいる。
 私の眼はよどみ、濁ってしまったけれど、彼女の瞳は静かで美しいままだった。
 
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