enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.6.5

 昨日、安曇野の友人に、久しぶりに短いメールを送った。何とか生きてる…すぐにそんな返事が届いた。携帯の小さな文字に、友人の声が重なって聴こえるような気がした。私も似たような毎日…そう思った。

 午後になって、海に向かった。じきに雨を運んできそうな空の色だった。強い風に囲まれても、呼吸が気になるほどではなかった。海から帰ってくる人々と行き違いながら、ゆっくり歩いた。
 浜辺に着くと、鉛色の空にカイト・ボードの帆がいくつも旋回していた。
 風の抵抗を感じながら波打ち際に近づく。
 強い風に翻弄されるように、海面上を東西に疾走する若者たち。
 風を制御し、姿勢を制御するために、不断に収縮を強いられる筋肉のイメージ。思わず息が詰まる。
 呼吸の些細な変調さえも気弱に意識しがちな自分と、彼らのあり余る(過剰でもあるような)体力との落差を思う。
 
 「若者よ怒れ」…友人のメールにあった最後の言葉を思い出した。
 ”何とか生きてる”と言いつつ、友人はどこかでまだ若い頃のままなのだった。

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6月4日の海

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ネズミモチの花のそばに置かれていた貝

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フェンス越しの防砂林とクワの実