enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2016.8.29

 8月も終盤。
 朝方、そして夕暮れどき、物淋しいような風に出会う。夏が果ててゆく、と思う。 
 いや、体力も気力も果てていくようなのは、自分のほうではないか、とも思う。

 今年の夏…熱中症気味の昼間も、寝付きの悪い夜も、とりとめのない疑問が浮かんでは消えてゆく…そんな時間を過ごしてばかりだった。いつにもまして。
 たとえば、天皇制について…。国歌「君が代」について…。個人と国民について…。日本とアメリカの関係について…。沖縄について…。自衛隊について…。次から次へと疑問だけが駆け巡ってゆく。
 すべて、自分の考えを自分の言葉でまとめることができなかった。
 すべて、自分の頭で考えてはこなかったのだ。
 私という人間の安易さ、無為、怯懦を感じた。
 
 自分の衰えた身体からぶら下がっている、くたびれた意識の尻尾を、ぐるぐると同じところで追いかけるだけの夏。
 無駄な時間を過ごした虚しい感触だけが残っている夏。
 やれやれ…の夏だった。

イメージ 1
垣根から顔をのぞかせていたスイフヨウの花(8月28日夕方) …余分な花びらがあるように見えるけれど?(一重の白いサクラの花にあった”旗弁”と同じものだろうか)