enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2月26日に。

東京でも雪降りとは無縁の2月26日だった。

その2月26日の午後、衆議院予算委員会は野党党首らを質疑者に迎えていた。

そして、夕刻になる頃には、とりとめない思いが浮かんだのだった。
『今日、もし大蔵官僚時代の平岡公威がこの場に臨んでいたならば、どのような表情を浮かべていただろうか』と。*

 

で、その国会の予算委員会という場。
腕を組み天を仰ぐ人、目を閉じ続ける人、うつむく人、苦笑する人、だらしなく座るだけに見える人…私たちを代表する人々が、それぞれの立場で、それぞれの思惑で、答弁者と質疑者のそれぞれが発する言葉を受け止めている。

 

2月26日、答弁に立った法務大臣は、その権威の在処を自ら貶め続けた。
権威に寄生するだけの正体を顕わし、拠って立つ権威を毀損して恥じない姿を、臆することなく私たちに見せつけた。

この人は、”鶏が啼く前に三度裏切った”…国会という場で。そう感じた。

議会制民主主義を裏切り貶める者、法治主義を破壊する者が、このように凡庸な姿形で現れ、私たちを騙る言葉を発する。
その現実を改めて、ありありと目の前にした2月26日だった。

 

*28日になって、一つだけ思いついた平岡公威のイメージとは「鼻をつまんでやり過ごす」というものだった。当時の(大蔵官僚時代の)彼としては、その場で、せいぜい洗濯ばさみで鼻をつまむぐらいではなかったかと思う。