enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

せせこましい人の国だなぁ。

 

 

何だかせせこましい人の国になったなぁ。

 

遥か昔、首相が中曽根さんだった頃、国労を潰しにかかる圧倒的な力に対し、強く反撥する感情とともに、立ち向かう強大な国家権力への恐れも感じていた。私が若く、守るべき生活があったから、ではないと思う。
また、人々にも社会にも真面目な熱量があった。日々、閉塞感・無力感はあっても、光を求めて進んでいる感触があった。闘いつつ、せせこましい人の国だなぁ、と嘆息することはなかったと思う。

 

2020年の今、最高権力者のポストからずり落ちる人も、そこによじ登る人も、私とほぼ同年代だ。彼らへの怖れは後退した(年を取って、恐れに鈍感になった。そして、同年代の権力者の知力と肉体の限界や人間性のせせこましさを感じ取る意地の悪さだけは身についた)。

 

だから、秋の夜空に昇ってきた白々とした月を見ながら、つい思うのだ。

今、何とせせこましい人が、この国を動かすものよなぁ、と。

 

 

10月1日の名月

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