enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

無力感。

 

3日の朝、雨はまだまだ降り続いていた。厭な雰囲気を感じた。
その夜、深夜1時台は20分置きに、そして明け方には1回、緊急警報メールのアラーム音が響き渡った。浅い眠りはそのたびに寸断された。ぼんやりと激しい雨音を聞きながら、水びたしの外の世界を思い描いた。

その後、伊豆山の被害を知った。信じられなかった。
伊豆山の山肌の下に潜んでいた龍神が、突如姿を顕わし、のたうちまわっている…そんな光景のようにも見えた。

今日、熱海の地形図を取り出してみると、そこにはたくさんの書き込みが残っていた。
今回の土石流の通り道あたりに、逢初川の流路らしい青線が引かれている。上流には「赤井谷」の文字もあった。その近くが、今回の土石流の源なのかもしれない。

伊豆山のあの長身の男神像は今、どのような表情をしているのか?
無力感のままに、そんなことを思いめぐらす。

夕方、小雨のなか、海に出かけた。
海も空も灰色にけむり、伊豆半島も姿を消していた。

 

 

f:id:vgeruda:20210704211113j:plain

f:id:vgeruda:20210704211146j:plain