enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

01.6.25

六月という季節
 
六月 夜更けて ひそやかに 米をとぐ
 よびさまされる みずみずしい 生命の音
  私は アジアの流れのなか
 
六月 濃密な夕暮れ 白い花の香りが
 垣根をぬけて はるかな記憶の鍵穴にすべりこむ
  私は アジアの風のなか
 
六月 雨上がりの午後に浴びるシャワー
 したたる時の余韻 なおも湿る仄暗い肌
  私は アジアの季節のなかで生きた
   一人の女だ