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私の第三十四夜をつづります。

鹿の絵画土器(平塚市北金目塚越遺跡)/2012.1.26

 現在、平塚市博物館1階では、弥生土器の壺1点がスポットライトを浴びて展示されている。この弥生中期の壺の肩の一部に、1頭の大きな鹿に続いて、やや小さな鹿が3頭、足並みをそろえて駆け抜ける(ように見える)姿がくっきりと線刻されている。小さな顔、枝分かれしていない角、弧状の背中、軽やかな脚・・・肉眼ではっきり見て取れる鮮やかな線刻だ。
 壺の頸から肩まで15cmほどが残存し、その部分だけでの線刻画でありながら、土器とともに展示された展開写真は、鹿の躍動する姿をおおらかに伝えていて小さな壁画のようだ。
 平成23年度かながわの遺跡展・巡回展「弥生時代のかながわ」では、神奈川県出土の鹿の絵画土器5点が紹介されているが、折りしも、その6点目にあたる鹿の絵画土器が、地元の博物館において速報展のような形で特別公開されたことが嬉しい。