enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2012.10.13

 昨日の午後、雲が広がってきたので、浜辺で本を読もうと出かけた。 
 思えば、私が小さい頃、兄はよく海に出かけていた。兄の部屋の古びた衣桁に掛けられたズボンからはいつも海の砂がこぼれていた。今、散歩する私の靴の中にも細かな砂が入り込んだままだ。
 海はふだんの顔をしていた。浜辺暮らしの猫の姿は見えない。松林のなかだろうか。
 いつも彼(たぶん?)は、太陽が西の山々へ沈もうとする頃、差し入れされるペットフードや水を静かに摂り、日没を見守るようにうずくまっている。日が沈むまでにまだ2時間ほどある。
 昨日の波の色はヒスイのような碧色に見えた。しばらく本を読んでいると肌寒くなる。帰り際、ベンチには猫の姿は無かった。
 
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追加:浜辺暮らしの猫(ふだんのようす。10月9日)
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