enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

「何もしてこなかったなぁ…」

 

できれば何もしないでぐずぐずと過ごしていたい性分の私にしては、2022年12月は例年よりマメに動いた気がする。
それでも、手帳を開くと、ずっと前に書き込んだ予定のほかには何も書き足されていなかった。手帳を開いてその日をふり返る時間もなく、疲れ果てて寝てしまう日が多かったようだ。

12月…初旬に友人の演奏会に出かけたあと、誕生日を淡々と迎えた。その後はオンラインで受講したり、半ば頃には家族と旅に出たり。
後半になって再びオンラインでシンポジウムに参加した。そのあとは年賀状を書いたり、大掃除の真似事でお茶を濁したり、友人とちょっと会ったり。
(これでマメに動いたと感じられるのだから、どんなに私はナマケモノだろうか…)

とにかく12月は私がもっとも苦に感じる季節だった。
誕生月でもあるためか、《「ああ おまえはなにをして来たのだと……」吹き来る風が私に云う》…そういう季節だった。
そして、つらつらと来し方を思い返し、恥やら後悔やら虚しさが押し寄せて、滅入ったものだった。

それでも、70代の今は、”吹き来る風”に『何もしてこなかったなぁ…もったいなかったかもしれないなぁ…』と、素直に認めるようになってきている。

今日も、家族の部屋を片付けたり、マーラ・ザンピエーリの『マクベス』を聴いたりして、自分なりに”マメに”動いた。

「何もしてこなかった」私ではあるけれど、家族の部屋の棚や机を表面的に綺麗にした。そして、久しぶりのザンピエーリは変わらずに刺激的で心が震えた。

あぁ、今日も無事にやり過ごせた気がする。
(そして12月という”魔の関所”を越えて、早く新年にたどりつきたい…と思う)

 

冬の薔薇(人魚姫の公園で)