enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

墨書・刻書土器から見る”相模国府と大住郡の活動域”

≪map:墨書・刻書土器から見る”相模国府と大住郡の活動域”≫
〔左クリックで少し拡大されます。以下同様〕

    

〔註〕図中で破線 ----- ・点線 …… で示したルートは、あくまでも”個人的な妄想”によるものです。
(「古代東海道」の西延長ルートは、構之内遺跡第3地点で北西に向かうルート上の東中原E遺第4地点で検出されている。
一方で、相模国府中枢域から西部(新町遺跡・厚木道遺跡など)に向かうルートとして、谷川の低地をはさんだ北側・南側のそれぞれで、直線的なルートが想定できるように思う。
現時点では、その北側ルートとして構之内遺跡第3地点以西の直線ルートを想定できないため、南側ルートを想定したのが、点線
…… で示したルートとなる。
なお、東延長ルートについては、期待された諏訪前B遺跡第8地点の調査(2021年)では確認されなかった(南北約40mの道路状遺構SF011が検出され、「主要道路(東海道)の枝道」と推測されている)ので、かつての
覚書:国府域東端の古代道(2) - enonaiehon (hatenadiary.jp)

相模国府域を通る古代の道 - enonaiehon (hatenadiary.jp)
で想定したように、高林寺遺跡第16地点を通るルートを破線 -----示した。)

 

連日の猛暑のなか、国土地理院地図をベースにいろいろな図を作ることで、”地球沸騰”の現実をやり過ごしている。

地図は、言葉では表現できない空間的イメージを、端的にたちあげてくれる。
今まで気がつかなかったことを教えてくれたりもする。

しかし、何度も何度も作り直し、ようやく完成しても、『enonaiehon』では読み取れない大きさになってしまったりする。

また、正確さを心がけていても、いつのまにか”妄想”がすべり込んでしまう。

それでも、自分で楽しむには十分…暑さを忘れてしまうほど夢中になる。

 

冒頭の地図は、『平塚市内出土の墨書・刻書土器』2001年 平塚市史編さん担当 平塚市史 別編 考古 基礎資料集成3)をもとに、「国厨」「郡厨」「大住厨「大厨」「大住」「住」、あるいは「宅」「曹司」などの文字が記されている土器(出土地点)を抽出して、その分布様相をあらわしたものだ。

データについては2001年以降、新たな更新ができていないため不十分な地図になっているが、今後、大住郡衙について妄想を広げる際に、何かしらの参考になりそうに思う。
「国厨」「郡厨」「大住」などの特殊な墨書・刻書土器の新たな出土情報としては、東中原G遺跡第5地点の「国厨」甲斐型坏1件(2019年調査『第9回 平塚市遺跡調査・研究発表会 誌上発表』2022年 平塚市教育委員会)がある。