初島には初木神社があり、初木姫の伝説が記されていた。
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~『走湯山縁起 巻第五』から引用(抜粋)~
「・・・・・・
昔 景行天皇三十一年。久良地山之上有二大杉木一。其脂膏凝滴如二白雪所-レ照日月之光一。其中心消融。其香気宛如二龍脳一。従二其中一生二一男一女一。于時有二巫女一。号二初木一。以二此二子一養レ之如二己子一。不レ経レ旬忽成長。一云二日精一。一云二月精一。
第十三帝 志賀高穴御宇。被レ定二諸国之堺一。至二当国一以二此二人一所レ治-定二之一畢。此二人為二夫婦一。以二月之上旬一入二八穴之道一箒-除二之一。以二下旬一箒-攦二当山一。国人以レ之号二神冥一祟-重二之一。此権現氏人之元初也。
系図。註二上統一不レ載二枝葉一。
|--立岩 延斅 童名也。 」
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初木神社
初木神社の説明板:
なお、”鎌倉時代以前”の歴史時代の遺跡については、初木神社近くの「海洋資料博物館」の展示から、”枡形遺跡”・”中ノ段遺跡”で「平安時代以降の円形土坑」が発見されていること、初島では古墳時代、平安時代以降に人々の活動が予想されることも分かった。
一方、初島に伝わる”初木姫”の伝説や”お初の恋”の物語については、次に引用(抜粋)した『走湯山秘決 一巻』(鎌倉~南北朝時代 14世紀、漢字片仮名混じり文)についての解説(『伊豆山神社の歴史と美術』 奈良国立博物館 2016年)が参考になった。
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~『伊豆山神社の歴史と美術』から引用(抜粋)~
「・・・・・・
さて、『走湯山秘決』は、初木という名の巫女(女神)を主人公とし、初島(熱海市)の祭神でもあるこの女神を通して、走湯権現の由来を語るという内容である。人王五代孝昭天皇の御世から説き起こし、応神天皇代の相模の海での神鏡の出現までを記述する。内容的には『走湯山縁起』の巻五の所伝に近いが、それと相互に補完し合う関係にあり、『走湯山秘決』は当初より『走湯山縁起』と一体のものとして編纂されたテキストであろう。」
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海洋資料館の展示から(初島の遺跡分布地図):
「中ノ段遺跡」と「枡形遺跡」は、現在の「初島公園」一帯…島の中央部に近く、小高い地点…に展開したようだ。検出された”平安時代以降の円形土坑”が、近世にまで降る可能性もあるのか、解説文からは読み取れなかった。
源実朝の歌碑:
「中ノ段遺跡」に近いと思われる「初島公園」に建つ。
初木神社に残る道祖神
初木神社に残る道祖神(左端):”初木姫”の伝説と重なるような面影。
初木姫と伊豆山彦の物語を記す説明板(内容は上掲の説明板と同じ)
初木神社前:初島の太い幹の松に親しみを感じた(港近くには”お初の松”が大きな体をうねらせている)。
そういえば、引用(抜粋)した『伊豆山縁起 五巻』の「権現氏人」の中にも、”赤松、若松、岩松蔵大夫”などの名があった。10世紀後半の伊豆山隆盛に貢献した”延斅”の時代から、初島には松の木が多く育っていたのだろう…そんなことを思った。