enonaiehon

私の第三十四夜をつづります。

2018-01-01から1年間の記事一覧

子易・中川原遺跡:6-3工区の1号墳

6日午後、子易・中川原遺跡(伊勢原市)の現地説明会に出かけた。 鈴川左岸域での古墳発見に続いて、今回初めて、右岸段丘面でも古墳2基(1号墳・2号墳)が発見されたという。 何回も通った調査地域に着く。 まず、チョコレート色の土と白い石のコントラスト…

笛吹川左岸の三寺を巡っての感想

1日、山梨県を訪ねて、笛吹川左岸域に残る大善寺、放光寺、福光園寺を巡り、いつものように、頭の中で妄想が飛び交った。 一番に感じたのは、それぞれのお寺に、固有の歴史的な時間が土着?していて、空間的変容を加える過激な力から寺々を守っているのでは…

笛吹川左岸の仏たち

10月1日の朝、台風一過の青空が広がった。 待ちに待った朝…山梨県に残る慶派・円派の仏師の手になる仏像、そして”蓮慶”作とされる仏像を訪ねるツァーに参加する日だった。持って来いの天気だった。 しかし…台風の爪痕について能天気でいたのは間違いだった。…

2018.9.30‐③ ~晩夏の七日間~ (8) 戸隠

じきに10月。その前に、ようやく、晩夏の七日間の思い出…最後の戸隠についても書き留めることができた。 ホッとするような、それでいて淋しいような。 これで私の今年の夏は本当に終わってしまった。今、窓の外では台風の不穏な風が吹きはじめている。 東京…

「ゼロ打ち」という言葉を初めて知る。

今、沖縄県知事選開票前に好情報が入り、ドキドキしている。 開票終了を待たずに当確報道が出るのは珍しくないけれど、今夜8時すぐに結果が分かるのなら、それはそれでドキドキする時間が少なくなって嬉しい。

2018.9.30 ~晩夏の七日間~ (7) 上高地

9月最後の日…窓の外には明るすぎるほどの陽射し。 台風24号と沖縄県知事選の行方が気がかりな朝。その光に不穏な気配はまだ含まれていない。 そして、台風一過のその時、目の前にどのような状況が広がっているのか、まだ誰にも分からない。 嵐のあとに、何事…

2018.9.27 ~晩夏の七日間~ (6) 白馬八方

家の暦は10月を視野に入れはじめよ、とつぶやきはじめている。 それなのに、私はいまだ半袖姿の晩夏の旅をひきずっている。 思えば、9月はいつも足早なのだ。 気がつくと、長かった夏をぐずぐず反芻したりしている。 あっという間に近づいてきた10月を前に落…

2018.9.24

晩夏の旅を終えてから3週間ほど経った。 23日、大磯の長兄の家にブドウを届けた足で、久しぶりに高麗山に向かった。 八俵山への小暗い道は少しぬかるみ、風も無く、蒸し暑い。 『まだ夏が残っていた…?』 休息の3週間でたるんでしまったのか、足も重たい。 …

2018.9.22 ~晩夏の七日間~ (5) 栂池

彼岸入りして、へとへとの夏の記憶がようやく薄れてきてた。 夏の疲れをいやすように、季節は「秋」へと向かっているのだ。 その足取りに励まされ、私のなかにも元気になったような錯覚が生まれてくる、わけもなく。 昨夕、駅近くの食堂の前で見た植木鉢のサ…

2018.9.20 ~晩夏の七日間~ (4) 白馬五竜

9月も下旬…白馬村で過ごした時間が、あっという間に日常の時間といっしょくたになって埋もれてゆく。時の過ぎ去る速さが、そのまま、私の中心が空洞化してゆく速さに感じられる。そして、乏しくなった気力をかき集めるにも、乏しい気力が必要なのだ それにし…

2018.9.18

夏の終わりの数日、北アルプスの麓を歩き回っていた時に、何度となく、自分は海辺で育ったんだな…と思う瞬間があった。 青く連なる峰々の向こうに陽が沈もうとするにつれ、山塊が急に暗く広がって迫ってくるように感じながら、私はこういう風景を見ながら育…

御茶ノ水へ。

例年、夏から秋へと移ってゆく時期は、私にとってそのまま、アレルギー症状の悪化の道につながってしまう。 この時期、今年こそ、病院に真面目に通おうと決めていた。 昨日、病院で薬を処方してもらったあと、新横浜から御茶ノ水に向かった。東京の友人に、…

白いターバンの少女

まだ夏と秋がせめぎあっている。 昨夕、買い物の前に、図書館に本を返しに行った。 (借りておきながら、ベッドの枕元に置いたまま、ほとんど読まずに返すことになった。いつも疚しい…。) 5時を過ぎても空はまだ充分に青い。 街を通り抜ける風には、涼しさ…

2018.9.7

8月の末…白馬村は夏の終わりを迎えていた。 青い峰々の麓の緩やかな棚田では、すでに稲穂が重そうにかしいでいる。 黄色い稲穂の海のところどころには、蕎麦の白い花畑が浮かぶ。 人々が小さな薬師堂に注連縄を張る。木流川沿いの彼方から祭り太鼓の音も聞こ…

2018.9.5 ~晩夏の七日間~ (3)戸隠神社奥社参道の石垣

七日間の白馬村滞在のなかで、雨の日の一日、戸隠神社を参拝した。 杉並木の暗い参道と石階段、奥社で見上げた狭い空…38年前に訪れた時の記憶は、遠い彼方に押しやられていた(今や、すべてがこんな具合…)。 当時、神社・仏閣を訪れても、”神仏習合”という視…

2018.9.4 ~晩夏の七日間~ (2)ニホンカモシカを撮る

8月28日の夕方、宿を出て、近くの犬川沿いの道を散歩した。 道際の草むらに見え隠れする小さな蝶の姿を追いかけていると、川向こう…天狗岳の谷を東流する犬川は、その場所で山を大きく回りこんで屈折したのち、大糸線を越えて姫川に流れ入る…の深い緑の中か…

2018.9.3 ~晩夏の七日間~ (1)二十三夜塔など

8月26日から9月1日まで、ツァーに参加して、白馬村で過ごした。 7日間、毎日ひたすら足を動かし続けた。 若い頃、職場の仲間たちと白馬の雪渓に挑み、山小屋に泊まった私は、すでに遠い記憶の中の別人だ。 体力も気力も失った今の私は、リフトやロープウェイ…

2018.8.22

8月も終盤…夏のゴールはもうすぐだろうか? 早くゴールにたどり着きたい…そう思いながら、また30度越えの日々が戻ってきてしまった。 この夏、70%・80%台を示し続け、この暑さで壊れてしまった?…と思っていたデジタル時計の湿度表示。それでも、先日の秋…

2018.8.17

今朝読んだ新聞コラムは、「今夜、天の川にカササギの橋がかかる。…」という書き出しで始まっていた。 今夜は旧暦の七夕なのだと知った。 確かに、今日の平塚の街には、”伝統的七夕”にふさわしい秋の風が吹いて、旧暦の季節感を少しだけ身近に感じられる。 …

2018.8.16

8月15日という日。 それは白く乾いた日差しのもと、道に映し出された光と影の強いコントラストに、一瞬、記憶が遠のくような目眩を感じる日。ずっと、そうしたイメージを持ち続けていた。 その日が、近年、時に曇り空の日であったり、昨日のように、涼しいほ…

西瓜を買う。

「お願いしま~す!」 「は~い!」 「西瓜ください」 「は~い」 「どれにしましょう?」 「じゃ、これを?」 「はい!」 「袋はありますから…」 「だいじょうぶですか? 濡れますけど?」 「そのまま入れてください・・・おいくらですか?」 「200円です」…

最後の言葉を聞く

9日の朝の空気には、再び30度越えの暑さを覚悟させる気配があった。 今日は9日であることを思い、そして昨夜、翁長さんの訃報が流れたことを改めて思い返した。 8月という季節には、6日、9日、15日と、堰き止められる時間がある。 そして、そこに連なるよう…

2018.7.31

あぁ、せめて立秋が待ち遠しい…そう思いながらすでに7月31日。 午後になればごろんと寝転んで、あとどのくらい、暑い/\と過ごせば秋になるだろうかと思う日々が続いた。 それでも、今日は南風がひっきりなしに吹き込んだ。 それも、どこかかすかに冷気を含…

田中一村の絵

今から30年ほど前、田中一村という画家の作品と、その生涯がTVで初めて広く紹介された時、何より心を衝かれたのは、その人が暮らしていた奄美大島の家の驚くほどの小ささだった。 この”一室”に棲み、あのような作品を描き続けたのだ。 映し出された痩せ抜…

嵐の前に読むコラム

明日には台風が上陸するという27日。 眼が覚めると、身体の内側に溜め込んでいた熱風の記憶が抜け落ちているように感じた。 網戸から時々入り込んでくる風に秋の気配があったりもする。 放心したように体はふわふわと軽く、呼吸も熱気に喘ぐことがない。 窓…

列島展で。

21日、友人と東京に向かった。 毎年見学する列島展ではあったけれど、今年は当日の朝まで迷っていた。そして、結局は出かけることになった。 両国駅の外に出ると、一気に大都会の灼熱の空気に包まれた。 (夏場の縄文土器作りの野焼きのさなか、身体の芯が火…

2018年7月20日の演説。

夜遅くなってから、20日の枝野代表の内閣不信任案趣旨説明演説の動画を視聴し始めた。 長い。21日になってしまった。 (こういう場合に、「てっぺん回った」という言い方があるということを、つい最近知った。知ったばかりの言葉を使えるのが嬉しい。) この…

2018.7.18

何歳ぐらいからだろう。日差しが日に日に力を増すようになると、さて、この夏をどうしのごうか…と弱気になるようになった。 2011年初夏の時点ではまだ、夜行バスに乗って石巻に出かけ、海岸地域の人家や側溝の泥をかき出す作業も精一杯やり通すことができた…

まだ見ぬ”辺野古の海”

友人からの誘いで、この冬、沖縄へ出かけることになった。 その旅の日程のなかでは、辺野古も訪ねることになっていた。 まだ見ぬ辺野古の海…私たちが訪ねたその時、あなたは虚しく埋め立てられた姿なのだろうか? それとも、青い海のままで私たちを迎えてく…

陰惨な。

竹橋のビルの前で、奇妙な象の帽子を被った白い人たちの姿を眼にして、車から流れてくる奇異な歌を聞いた。 もうその時、陰惨な流れは姿を顕しはじめていたのだった。 それから28年の時間が流れて、あの陰惨な事件の陰惨な最終章について陰惨なニュースが流…