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私の第三十四夜をつづります。

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018.7.5

昨日の夕方、予約した本を借りに図書館に出かけた。 街中の信号を渡ったところで、知人の姿を見かけた。しばらく休んでいたボランティアを再開されたのだろうと嬉しくなり、声をかけた。 年齢でははるかに大先輩にあたる知人は、すこし痩せたようにも見えた…

2018.7.3

梅雨明けとともに海からの強い南風。 毎日、夏の空というよりは秋のような遠い空が続く。そして、海からの風で洗われる街。 午後、やや日が翳りはじめた。海に行くなら今、と外に出た。 道沿いには色を失ったアジサイ。予期せぬ早い梅雨明けだったことだろう…

韮山へ(願成就院~反射炉)

25日朝、家族に誘われて伊豆の国市に向かった。 いつもの電車の窓枠の大きさに切り取られた景色とは違って、相模湾沿いを走る車から、青い海と箱根山が一つながりに見渡せた。 途中、三島大吊橋の近くでは一瞬視界が開け、富士山が姿を現した(みなが「大き…

歌人相模が「竹淵」を目指した道(3)

≪想定外の道筋として歩いた「竹内峠」②≫ 今回、竹内峠・穴虫峠を越える道筋について、ほとんど下調べをしないまま出かけてしまった。 歌人相模の初瀬参詣ルートの想定から外れた道筋…という思いもあった。また、歌人相模とともに初瀬参詣の旅空を見上げるこ…

2018.6.20

梅雨の晴れ間となった昨日の午後、ごく短く友人と会うことができた。 待ち合わせの場所に歩いてくる友人の手には花束。 個性豊かなアジサイが愛らしくまとめられた花束だった。 そして、手提げからは茄子も取り出される。青々としたヘタには細く鋭い棘が立っ…

歌人相模が「竹淵」を目指した道(2)

≪想定外の道筋として歩いた「竹内峠」①≫ 今から約一千年前…おそらく万寿4年(1027)年頃…歌人相模は「神な月」に初瀬参詣を思い立った。そして、その旅のなかで次のような7首の歌を詠んだ。 ________________________________…

歌人相模が「竹淵」を目指した道(1)

今からおよそ一千年前…おそらく万寿4(1027)年頃、歌人相模は“神な月(10月)”に初瀬参詣を思い立った。そして、その旅で7首の歌を詠んだ。 6月初旬の私の旅では、その連作7首(歌番号104~110)のうち、109と110の歌が詠まれた道筋を追いかけてみた。 109…

歌人相模が見た「鍋倉山」

6月初旬の旅…久しぶりに歌人相模とともに歩きながら、とりとめのない問いかけが浮かんでは消えた。 『旅のなかで、貴方の思いは誰に(何に)向かっていたのですか?』 『旅を通じて、貴方の心に何か得るものがありましたか?』 『貴方の旅はどのような道筋を…

2018.6.13 ~与喜山・二上山の麓を歩く(2)~

9日の長谷寺と同じく、10日も当麻寺を参詣する時間は無さそうだったし、実際に無かった。 歌人相模の初瀬参詣想定ルートを探す私にとって、当麻の二上山一帯が、そのルートに係わる可能性があるのかどうか、何一つ根拠が無かった。ただ、想定ルートとして可…

2018.6.12 ~与喜山・二上山の麓を歩く(1)~

9日、すでに梅雨入りした空の移ろいを気にしながら、奈良への短い旅に向かった。 その日の午後、葛城市歴史博物館で講座を聴くためには、晴れの続く日を見計らって…というわけにはいかなかった。 予報されていた雨が降り出したのは10日の16時頃。二日間の予…

It’s the hammer of Justice.

久しぶりにPPMの声を聴いた。 たまたま「天使のハンマー」だった。 いっときだけ、マリーの声が今の私のささくれた気分を鎮めてくれる。 屈託を抱えながら、彼らの歌を毎日飽かず聴いていた遥か昔。 彼らの歌に何を求め、彼らの歌から何をもらっていたの…

2018.6.4 ~礼文島と利尻島:五月の花たち(2)~

<青い花> エゾエンゴサク(礼文町) ハクサンチドリ(礼文町) ノビネチドリ(礼文町) ミヤマオダマキ(礼文町) チシマフウロ(礼文町) <黄色い花> エゾノリュウキンカ(礼文町) キジムシロ(礼文町) クルマバツクバネソウ(礼文町) イワベンケイ①…

2018.6.3 ~礼文島と利尻島:五月の花たち(1)~

五月下旬、最果ての島で出会った花たちは初めて眼にするものも多かった。 名前を間違っているものがあるかもしれないけれど、忘れてしまう前に記録しておく。 <白い花> オオバナノエンレイソウ①(礼文町) ヒトリシズカ(礼文町) マイヅルソウ(礼文町) …

いつもコメントをありがたく拝読しています。

最近、とみに荒んでゆく心のはけ口として、ブログに向かうことが増えています。 友人も家族も「自分の時間を毎日そんな怒りで費やすより、もっと楽しんだほうが…?」と言います。 その言葉はもっともなものと思います。常に怒りや鬱屈を溜め込んだ人になりた…

狂ったお茶会

この国では狂ったお茶会がずうっと続いている。 三月ウサギや帽子屋やネムリネズミたちの不条理な言動が私たちをじくじくと蝕んでいった。 時間が止まった国で狂ったお茶会に呼ばれた私たちは言葉も心も病んでしまった。 このままでは私たちは腐ってゆく…死…

2018.5.31 ~五月の旅(2)~

<礼文島から利尻島へ> 北海道を旅したのは、小学校に上がってから両親と一度、そして学生時代に一度、社会人になってから二度。どれも私にとって距離・長さ・密度とも大きな旅だった。 最初の旅はたぶん八月。電車で延々と北上し、大波に揺られる青函連絡…

2018.5.28 ~五月の旅(1)~

3月初旬、家族と先島諸島を旅した。 初めて眼にする南の島の青い海色、白い砂色。 夜半に目覚める。 木立の奥から聞こえてくるキンバト(たぶん?)の幽かな声…寝息のような、溜息のような。 そして、同じようなひっそりとした波音が重なる。 見上げた空に…

怒りの病の清算。

この数年間、胸の奥にずっとモヤモヤと渦巻く怒りがあった。 その怒りの対象として、いくつかの具体例は眼に見える形で存在していた。しかし、その背後の正体…構造的なもの…が見えず、言葉としてつかむことはできなかった。 この怒りが本当に突き当たるべき…

えんえんと?

そのくちもとからながれでるよだれがひとびとのみみもとにたれさがる …これはですねいわばまさに”いってんのくもりもない”とされていることをですねはっきりともうしあげておきたい… そのくちもとからながれでるよだれがひとびとのみみもとにたれさがるえん…

2018.5.11

昨日の午後、駅の南口の公園に立ち寄った。人魚姫の像を囲み、五月の薔薇が華やいでいる。雨上がりのきらきらした空気。夕方…それも6時近い…というのに、これからもう一度、一日が始まるような光の射し方だった。 今日、夕方の街角で、というより横断歩道の…

2018.5.7

ベランダのスミレ、クリスマスローズが咲き果てた。いつのまにか、虚しい姿になった。それでも、ただ虚しいだけの私と違って、花たちはひっそり実を結んでいる。そして、限られた貧しい土のなかできちんと次の季節の準備をしているに違いなかった。 午後から…

2018.5.4

4月半ばから薬を飲み続けて、身体は少し上向きになった。ただ、よどんだ気持ちからどうにも脱出できない。 それでも、今日は海に行ってみたいと思った。それだけでも上向きになった気がした。 朝、ベランダに出た時、夏を飛び越して秋の台風の頃のような風を…

2018.5.1

昨夜も月が明るかった。雲の海に浮かぶ光の鏡体。満月となった海月。その下には木星の光の粒も光っていた。 昔の思い出・・・”月に群雲”の図柄を描くことがあった。何のためらいもなく、満月を先に描き、月の後ろに觔斗雲のような雲を描いた。すぐに、月の後…

2018.4.30

薔薇が美しく咲き始める五月は夏の始まり…と感じてきた。 桜から薔薇へと移ってゆく季節…「春とや言はむ、夏とや言はむ」の四月末。 昨夜覗いていたツイートに、誰もが共有しうる…つまり普遍的で文学的なつぶやきがあった。 一言だけ、”今夜のお月さん”が綺…

4月27日の薔薇と空。

ペレストロイカやグラスノスチという目新しい言葉を眼にし、耳にしたのはおよそ30年前。 ゴルバチョフ書記長が掲げたその言葉を遠い響きのように受けとめてから数年後、眼のあたりにしたのが東ヨーロッパにおける人々の圧倒的なエネルギーと破壊力だった。”…

11年前の新聞記事。

2018年の初夏。季節の新しい輝きを感じながら、なぜだろう、強迫的なイメージが繰り返し頭をよぎるようになった。 そのイメージをさかのぼれば、2007年の晩夏の記憶に行き着く。 そうだ、そうだったのだ、11年前のあの時も。 あの時から何も変わっていなかっ…

三浦半島の仏像拝観

23日、雨模様の空を心配しながら、三浦半島の仏像(12~13世紀)を訪ねる”スタデイツアー”に参加し、横須賀市の浄楽寺(芦名)・清雲寺(大矢部)・満願寺(岩戸)を巡った。 かつて相模国府の歴史について発掘調査成果を中心に学んでいた頃、三浦半島につい…

『書簡で読む アフリカのランボー』に出会う。

若い頃、ランボーという詩人の若い肖像に魅せられた時期があった。 その翻訳詩のほんの一部を読んだだけだったし、彼がどのような人生をたどったかも、詳しくは知らなかった。ただ、彼が詩作を放擲し砂漠の商人となったことに、この詩人に運命づけられた狂お…

50年近くの月日が流れて…。

1970年11月25日、私は教室で授業を受けていた。 そして、その授業の合間に、異様なニュースが伝わったのだった。 三島由紀夫が市ヶ谷で自殺したらしいと。 その後、事件についてさまざまな報道があり、さまざまな人がそれぞれに言葉を発した。それらの政治的…

”壁”の感触が変わった日。

4月14日。曇り。寒くもなく暑くもない日。 13時半頃、国会議事堂前駅に着く。 茱萸坂から国会議事堂正門前へ向かう。 友人とゆっくり歩きながら、何だろう…どこかいつもと違う空気を感じた。 今日に限って(?)、制服警官たちの威圧感・存在感が迫ってこな…