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私の第三十四夜をつづります。

2016-01-01から1年間の記事一覧

2016.8.11

「山の日」に海に出かけた。 薄曇りの空…日傘もいらない。海への道には、白いユリ、ピンクのサルスベリ、白いキョウチクトウ、オレンジのヒマワリ、白いムクゲ。夏に咲く花の元気な姿に励まされる。 浜辺では、多くの人たちが「山の日」の祝日を楽しんでいた…

2016.8.9

このところ、海を見ていない。月も、最近やっと、夕方の空にかかる淡く細い三日月を目にしただけだ。 日々の生活に必要なエネルギーのほかに、惜しみなくふんだんに使える体力・気力が余っていない。 余裕がないので、つい、食糧の買い出しよりも、海や月は…

2016.8.8

今日、日中の室内の温度が32度を越えた。 秋は名のみの風の熱さや…。 海上を進む台風の強い風が吹き込まなければ、もっと高い気温になっていたのかもしれない。経験的に、私が何とか耐えられる夏の室内気温は32度台がせいぜいだ。手帳を見ると、7月3日の欄に…

2016.8.6

8月という特別な季節がめぐってきた。 日本の8月のじりじりとした青空には”太平洋戦争”の傷跡が隠れている。降りしきる蝉時雨には静かな悼みのようなものが隠れている。そう感じるようになったのは、いつからだったろう。 さらに、この数年間、『”戦前”とい…

2016.8.2

いつも、家から海まで、家から図書館まで、ほぼまっすぐ南北の道を歩くことになる。 その南北の道は風の通り道になる。相模灘からの風が通り抜け、丹沢・大山からの風が通り抜ける。 夏…街なかでビルとビルの間を、びゅーと高い空から地上まで通り抜けてゆく…

大磯町南仮宿遺跡の大型掘立柱建物

30日、横浜に出かけ、「神奈川県発掘調査成果発表会2016」に参加した。久しぶりに県内の遺跡調査の最新情報を見聞することができた。 なかでも、南仮宿遺跡Ⅷ地点(大磯町の警察署新築工事に伴う調査)で、奈良時代の大型掘立柱建物が検出されていることを知…

2016.7.23

一昨日も、そしてカレンダーでは「大暑」の昨日も肌寒かった。夕方の街で、四つ角の植え込みに薔薇がまだ咲き残っていることに気がついた。 近寄ると、ほとんどが枯れてゆこうとする花であるのに、最後の輝きを失わずにいた。そして、梅雨の雨粒をのせた花び…

「デルフォイの御者」とエンペドクレス

7月も半ばを過ぎた。早くも夏バテ(梅雨バテ?)だろうか、心も体も泥沼から抜け出せない。 身体は放射能汚染水の沼にはまったかのように重く沈んでいる。炉心溶融した脳味噌溜まりからは、脈絡なく言葉が点滅したり、出鱈目なイメージが浮かび上がっては消…

2016.7.11

”まつりごと”が終わった11日の静かな朝。西窓からはひんやりとした風と反射光が入ってくる。街のビルの窓ガラスに朝日が姿を映して眩しい。 10日、私の一票を小さな投票箱にさしこんでから、久しぶりに図書館の学習室…本当の名前は”参考室”なのだと最近知っ…

2016.7.8

5月半ば頃から、枕もとに置くようになった吸入薬…7月になって出番がなくなっている。まずはありがたい。その一方で、身体も頭も”スリープモード”に入ったまま、そこから抜け出せない。 7日、陽射しが弱まるのを待って外に出た。平塚の街は8日から”七夕まつり…

2016 .7.4

世界はいつから、こうした暴力の時代に入ってしまったのだろう。 空爆やテロリズムという、国家や組織の規律のもとに爆発する暴力。地域紛争という、宿命のように反芻され続ける暴力。身の周りの人の暗い情動による暴力。 私は、日々漫然とニュースを眺めて…

2016.7.1

30日午後、友人たちに会うために東京へ出かけた。3時に会う約束になっていた。10年前であれば、朝一番に家を出て、都内の美術館などに立ち寄ってから、待ち合わせの場所に向かっていたと思う。 今はどうだろう。なるべくなら、都会空間で過ごしたくないのだ…

2016.6.28

今年の六月、まだクチナシの香りに出逢っていない。花が咲いている場所は分かっている。図書館への道、海への道。どちらにも、クチナシの花が咲く庭がある。ひっそりとした庭に咲いている。 六月の夜、白い花から重く甘い香りが地面へと降りてゆく。そして闇…

2016.6.26

夜半(それとも未明?)、気がつくと強い風が吹いていた。少し開けておいた出窓から、夜の風の叫びが吹き込んで、目が覚めたのだった。窓を閉め、また浅く眠った。 夕刻になって、海に出かけた。外に出ると、道をそぞろ歩く人たちから、”休みの日”の軽やかな…

2016.6.23

一昨日、カレンダーを見ると”夏至”とあった。 明るい夕方にぼんやりと親しむうちに、昼夜の拮抗バランスは、もう折り返しの地点に達していたのだ。 22日午後、鶴見の講座に出かけるために外に出る。雨は降っていなかった。 この季節、近所の引き込み線柱から…

寄り道の覚書:『多武峰往生院千世君歌合』の静範②

“伊豆配流となった静範”に係わる歌を詠んだ、藤原兼房・大弐三位・素意法師と、「多武峰往生院千世君歌合」について、これまでに理解したことをまとめてみた(参考:『新編国歌大観』・『平安時代史事典』・『新国史年表』・『平安人名辞典』など)。 〔藤原…

2016.6.18

17日、海を見に出かけた。 歩くのに呼吸は不自由でない。当たり前のようなことがありがたかったりする。 最近は昼でも、図書館を往復するのに、速足では息苦しいことがある。着いてから、呼吸を鎮める時間が必要になったりする。結構情けない。それでいて、…

寄り道の覚書:『多武峰往生院千世君歌合』の静範①

『後拾遺和歌集』の藤原兼房の歌(996)と大弐三位の返歌(997)のやり取りのあとには、もう一首、“伊豆配流となった静範”に係わる歌(998)が続いている。 この素意法師の歌(998)の存在については、今回初めて気がついた。2012年時点で、作者の素意法師の…

2016.6.13

12日、鎌倉市由比ヶ浜で開かれた現地説明会の帰り道、扇ガ谷をまわってから電車に乗ることにした。六地蔵で県道を外れ、北に向かった。 行き着いた寿福寺のたたずまいは、観光地鎌倉のにぎわいを離れて、ごく閑かなものだった。鎌倉は不思議な町だといつも思…

砂丘上の石棺墓

12日の日曜日の午後、鎌倉市由比ヶ浜に出かけた。 6月に入ってからの報道で、鎌倉の砂丘地域で古墳時代の石棺墓が発見され、少年が埋葬されていた、と知った。かなり意外なニュースだった。そして、古墳時代の石棺墓と聞いて、あの鎌倉の浜辺に古墳が?と早…

寄り道の覚書:静範と「八幡の宮のことにかヽりて」②

藤原兼房の歌(『後拾遺和歌集』 996)の詞書に記された「八幡の宮のことにかヽりて」の意味について、今回自分なりに理解したこと・解釈したことは以下の通りとなる。 (ただし、996の歌の詞書が記された時点…1063年以降~1086年頃まで?…において、という…

寄り道の覚書:静範と「八幡の宮のことにかヽりて」①

これまで、歌人相模について、そして平安時代の相模国府の様相について、自分なりに一歩でも近づきたいと思ってきた。しかし現実は、寄り道で道草を食うのが精一杯、と分かってきた。基本的に力不足なのだと思う。虚しくはあっても寄り道で道草を食うしかな…

2016.6.9

雨の少ない梅雨。日蔭を探すような日や、風の涼しい日が続く。 8日、3回目の講義を聴きに鶴見に出かけた。試験もレポートもなく、ただ聴くだけで許される講義だ。大人になってからも、夢のなかで、突如”試験寸前!(きまって、数学の試験だった)”という状況…

2016.6.5

昨日、安曇野の友人に、久しぶりに短いメールを送った。何とか生きてる…すぐにそんな返事が届いた。携帯の小さな文字に、友人の声が重なって聴こえるような気がした。私も似たような毎日…そう思った。 午後になって、海に向かった。じきに雨を運んできそうな…

2016.6.2

5月が終わった。 爽やかな季節になってから、夜中に吸入薬を使うことが多くなった。再び、子どもの頃のように、夜は”発作をやり過ごす時間”になってゆくのかもしれない。 1日、家を出て街へと向かった。 近くの店の角に小さな女の子と若いお母さんが立ってい…

2016.5.30

29日、ホトトギスの声を聴ける頃…と期待しながら、高麗山に出かけた。 いつものように仄暗い山道を抜けて八俵山の尾根道に出る。緑が明るく輝く。一休みして浅間山に向かおうと歩き始めた時、不意をつくようにホトトギスが啼いた。北の林の奥深いところから…

2016.5.26

朝、ベランダのガラス戸を開けると、夏の風が吹き込むようになった。遠くの海からはるばると渡ってくる湿った風だ。春にも、冬にも、秋にも、こんな風は吹いてこない。風のなかに、南の海の姿が透けて見える…あぁ、また夏がやって来るんだと気づかせてくれる…

2016.5.23

22日、再び二宮駅へと向かい、サークルとしての調査に無事に加わることができた。21日は独り歩きの表面的な散策に終わったけれど、22日はかなりディープな調査になった。ひとえに二宮町の方々が詳しい案内をしてくださったおかげだ。 あとから分かったことだ…

2016.5.22

21日、サークルの調査に参加しようと二宮に出かけた。集合時間より30分も早く着く電車だった。久しぶりに降りる二宮駅はすっかり新しい顔つきに変わっていた。 通路に貼られた観光ポスターの風景を眺め、ラックにさされた町歩きのパンフレットを眺め、駅舎の…

2016.5.21

20日夕方も図書館に向かう。昨日よりは長居をして、気がつくと5時をまわっていた。平日の図書館は遅くまで開館しているのだった。コピーを1枚撮って外に出る。少しだけ肌寒く感じた。 駅に向かう人々の流れに沿って夕方の街を歩く。ほとんどが勤め帰りの人々…